SNSやネットにより解決した犯罪事件簿10選

SNSはフェイクニュースの拡散や集団による個人攻撃、いじめを助長するなど負の側面もあるものの、以前なら迷宮入りしたかもしれない事件の解決に役立つこともある。

ここではネットの一般人が事件解決に一役買った10の犯罪を見ていくことにしよう。

10. フェイスブックで身元判明。グレイトフル・ドウ事件

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References:theguardian

1995年、バージニア州南部で事故車の中から若い男性の遺体が発見された。損傷が激しく身元が確認できず、手がかりといえばポケットに入っていたグレイトフル・デッドのコンサートチケット2枚だけだった。警察は彼に「グレイトフル・ドウ」とニックネームをつけた。

数年後、頭蓋骨を基にコンピューターで再現した顔写真が作成され、ネットに流された。それがフェイスブックに投稿されると、家族の目に留まり、身元確認のため彼のDNAサンプルが当局に送られた。

母親によれば、ジェイソン・キャラハンはグレイトフル・デッドのコンサートに行くと言っていたが、具体的な場所までは話さなかったという。

家族は彼が家族との縁を切るために失踪したのだと思い込んでおり、生死すらまったく分からなかったのだそうだ。

9. ツイッターとフェイスブックでヘイトクライムの犯人を特定

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References:nbcphiladelphia

2014年9月、フィラデルフィアであるグループがゲイ男性2名に遭遇。彼らに恋人か?と尋ね、そうだと答えたところ、男性2人に暴行を加え、所持品を奪った。

1人の男性は口をワイヤーでつなぎ合わせる手術を受けるほどの大怪我をした。犯人グループは監視カメラに映っていたが、身元の特定まではできず、警察は目撃情報を募ることにした。

ツイッターでフィラデルフィアのおかしな情報をつぶやき、5000人ほどのフォロワーを持っていたある人気ユーザーが、監視カメラの映像を投稿し、情報提供を呼びかけた。

すると映像に映っていた小さな手がかりから集合写真が発見され、ここから犯人グループが食事をしていたレストランが特定された。

さらにフェイスブックのチェックイン機能で犯罪現場にいた人物の正体が判明する。犯人の身元が割れるまで2時間しかかからなかった。

8. 犯罪捜査掲示板サイトから殺人事件の犯人が特定される
アブラハム・シェイクスピア殺人事件

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References:motherjones

無数の素人探偵から犯罪の情報が寄せられる「ウェブスルース(Websleuths)」という掲示板サイトがある。

2006年、アブラハム・シェイクスピアという男が宝くじに大当たりした。彼は財産の管理を行うために、ディーディー・ムーアという女性をフィナンシャルプランナーとして雇った。

しかし2009年、シェイクスピアは資産を我が物にしようと目論むムーアによって殺害されてしまう。遺体はコンクリートの下に埋められた。警察はムーアを疑っていたが、証拠に乏しく逮捕まではできなかった。

警察が手詰まりなのを知り、掲示板サイト「ウェブスルース」が捜査に乗り出した。これに危機感を感じたムーアは、自分のアカウントを作り、証拠を発見したというユーザーへの妨害工作を試みる。

ところが、逆にユーザーによってIPアドレスが割り出され、警察に通報される。またムーアが犯人であることを示す証拠もどっさり提供された。彼女は結局殺人罪で有罪となった。

7. 多数の身元不明者や行方不明者を発見した掲示板サイト

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毎年、警察には数多くの行方不明者や身元不明遺体の情報が寄せられている。つまり、いつまでも気持ちに区切りをつけられない家族が大勢いるということだ。

こうした人たちのために、先にあげた掲示板サイト、ウェブスルースには「身元不明者」というカテゴリーがある。

サイトのユーザーは卒業アルバムやフェイスブックなどを丹念に調査して、行方不明者の写真に一致する人物がいないかどうか探している。

これで身元が特定された事例は数知れない。似たような活動を行うサイトはレディット(Reddit)など、他にもあり、いくつもの事件でクラウドソーシングの威力が発揮されている。

6. 犯罪告白者・予告者を特定する海外掲示板

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References:gawker

オンライン掲示板「レディット」では、誰かが犯罪を告白・予告しようものなら、ユーザー有志の特定班がすぐさま動き出す。

ナラートというユーザーが「妹の彼氏が麻薬中毒者だったから、そいつの薬で殺してやった」と投稿した。そして、それを疑うユーザーに対して、「全部が嘘ではない」と返信した。

ユーザーはすぐさまナラートの身元特定に動き出した。その結果、ナラートは24歳男性で、マリファナを吸うこと、ワールド・オブ・ウォークラフトをプレイすること、格闘技をやっていることが判明。

ユーザーはさらに彼の妹とコンタクトをとり、今は別々の国で暮らしていることや、彼女が麻薬中毒者と付き合っていたという事実はないという情報を得た。ナラートは単に『ブレイキング・バッド』というドラマの見過ぎだったのだ。

5. 猫を蹴り飛ばした犯人を特定

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References:thetandd

このニュースは日本でも話題になったので知っている人もいるだろう。ある少年がポーチで猫を蹴りつけている動画が投稿された。

動画はすぐに削除されたが、レディットや4chanにそのコピーが拡散され、投稿主の捜索が開始された。(動画は今もYOUTUBEで「Walter Easley, kitten kicker sparks internet fury uploading boastful video of animal abuse」と検索すれば見ることができるが閲覧注意)

結果、投稿主は17歳のウォルター・イーズレーという少年であることが判明し、警察に通報された。イーズレーは個人情報が晒されたあげく、彼の元には脅迫まで届くようになってしまった。

猫は無事だったが、イーズレーの身元が判明したことで、動物保護サービスまでが家庭のペットの保護に動き出した。

母親にとっては気の毒なことに、息子の愚行のおかげで愛猫と一緒に暮らせなくなってしまったのである。イーズレーはただの悪ふざけだったが、もう二度としないと反省の弁を述べている。

4. 身元不明の白骨女性を特定

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References:ohio

クリスティーナ・スケーツは祖先の1人の墓地の記録を調べていた。すると1975年の欄に名前のない墓が掲載されていることに気がついた。

記録には「身元不明の白人女性の骨」としか記載されていない。スケーツは興味を惹かれ、捜査に乗り出した。

図書館で調べると、身元不明の女性が頭を撃たれて殺されたという新聞記事が見つかった。それから手当たり次第に警察と連絡をとり、どうにか未解決事件の電子ファイルを入手した。

このファイルがレディットやウェブスルースに投稿されると、ユーザーの1人によって犯罪現場の写真から女性の顔の再現写真が作られた。

また事務処理の手違いによって、古い事件が行方不明者データベースに登録されていないことが判明した。

手違いが修正されてデータベースに登録されると、再現された顔写真はリンダ・パガーノという女性の顔とぴったり一致した。彼女の家族は、失踪から43年経ってようやく再開を果たすことになった。なおパガーノを殺害した犯人はまだ見つかっていない。

3. 36年前の少女の遺体の身元を特定

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References:usatoday.

1979年、ニューヨークのトウモロコシ畑で身元不明の少女の遺体が発見された。36年後、ついに彼女はフロリダ出身のタミー・ジョー・アレクサンダーであることが判明したが、これもやはりネットコミュニティの功績である。

ウェブスルースに遺体の詳細が投稿されたのと同時期、タミー・ジョーと同級生だった女性が彼女と連絡を取ろうとしていた。

同級生は家族のフェイスブックからタミー・ジョーの失踪を知る。実は1970年代の行方不明者はオンラインのデータベースには登録されておらず、検索してもヒットしないのである。

ショックを受けた同級生は、タミー・ジョーの情報を米司法省の行方不明者データベースに登録した。ここからウェブスルースが点と点をつなげ、2015年に身元が特定された。次のステップは彼女を殺した犯人を見つけることだ。

2. SNSで集団暴行事件の犯人を暴く

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References:nytimes

2012年、オハイオ州スチューベンビルの高校生たちが夏の最後にとパーティを行なっていた。しかし、それは楽しいものとはならなかった。

女子高生の1人が飲みすぎて倒れ、それをフットボール部員複数が数時間に渡り集団暴行をしたのである。

この時、生徒の1人がフットボール部員2名の後ろ姿の写真を”#rape”というハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿している。

ショッキングなことに、パーティの参加者で彼女を知っている者はいなかった。彼女は同じ高校に通っておらず、彼女の知り合いはいなかったのだ。

インスタグラムの写真が他のサイトに再投稿されると、花形であるフットボール部員への捜査が甘いとして地元警察には批判が寄せられた。実際、警察官の多くが、フットボール部に忖度して事件に関わらないよう要請されていたのである。

被害者の高校生と両親は、ツイッター、インスタグラム、ユーチューブに犯行の証拠があふれていることに打ちのめされた。彼女らはそれを集め、スチューベンビル警察に提出。それから1週間後、2名が強姦罪で逮捕された。

1. 45年前の子供のひき逃げ事件をフェイスブックが解決

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References:salon

1968年のハロウィンの夜、ニューヨーク州でキャロリー・アシュビーという4歳の少女がひき逃げに遭って死亡した。

だが警察による長年の捜査にも関わらず、犯人は発見されなかった。警察を定年退職したルス・ジョンソンは、この事件を自身のフェイスブックに投稿し、犯人を発見できなかった無念を綴った。

この話はシェアされ、フロリダ在住のある女性の知るところとなる。

この女性は、ニューヨークにいる友人からある話を聞いていた。友人によれば、昔ハロウィンの日にダグラス・パーカストという当時17歳の少年が運転する車の助手席に乗っていた時、彼が子供をひいたのだという。

友人はずっと罪の意識に苛まれていたが、警察に出頭することはなかった。しかし、この話を知った警察がパーカストに職務質問すると彼は罪を認めた。残念ながら、すでに時効を迎えており、パーカストは逮捕まではされていない。

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