夜も寝られなくなる本当に怖い話

今回はとっても怖い話を30個厳選してご紹介します。

1.走る男

そうタイトルだけ記された、何とも斬新? なパッケージのビデオ。
「しょうがない、どうせ百円だし暇つぶしになればそれでいいか」
Aは自宅に帰ると早速ビデオを再生した。
タイトルも出ずに、いきなりホームレスのようなボロボロの服を着た痩せ型の男が走っている映像が映し出された。

「? 手に何か持っている…鋸だ。何で鋸なんか持っているんだ?」
それにしてもこの男、こんな全力疾走しているのにバテるどころか汗一つかかず、スピードを落とす気配さえ一向に見せない。
「ん…? そう言えばさっきからこの男、見たことあるような道を走ってないか?」
Aは段々と胸騒ぎがし始めた。…嫌な予感がする。

「あれ? この道は…? この角を曲がったら…?」
次のカットで胸騒ぎは確信になった。
ああ、ヤッパリだ。この男は家に向かってきている。
しかし、気付いたときには男は家のすぐ前まで着いていた。
いつの間にか、カメラは男の視点になっていた。
画面は古いアパートのAが住んでいる二階部分を映している。
急いでベランダから外を覗くと…いる。あの男が。
男は迷わずベランダの柱を鋸で切り始めた。

訳の分からないAはとりあえず、

「おい! なにすんだよ! やめろよ!」

と男に怒鳴った。
すると男はAを見上げた。Aは思わず息をのんだ。
画面からは確認できなかったが、男は両目がロンパッてカメレオンのようだ。
そしてボロボロの歯をむき出しにしてニヤッと笑い、走って視界から消えたかと思うと、階段を駆け上がる音が聞こえる。

「ヤバい! ここに来る!」
鍵を閉めようと玄関に急ぐが、男はもうそこに立っていた。
居間まで追いつめ、鋸を振りかざす男。Aはとっさにリモコンで停止ボタンを押した。
その瞬間、男は居なくなっていた。鋸もない。
Aはすぐにビデオからテープを引っ張り出してゴミ箱に捨てた。
Aの部屋のベランダの柱には、深々と鋸の痕が残っていた。

2.車で迎えに来た

20年近く前、まだ私が中学だった頃の事です。
当時、親戚のおばさんでTさんという方がいました。
小さい頃は気さくでよく喋る方だったのですが、旦那さんが病気で亡くなってからは性格が変わってしまい、塞ぎ込みがちになっているそうです。
ある日の夜、部活のバスケの練習が終わりに差し掛かった頃、(確か夜の八時半頃だと思います)
学校の体育館の玄関口に、Tさんがやって来ました。
とりあえず、私は「あれは親戚の人です」と顧問の先生に言うと、 顧問の先生は会釈しながら玄関まで向かい、Tさんと何やら喋っていました。

顧問の先生が戻ってきて、

深刻そうな顔で「○○(私の名前)のお父さんが、交通事故に遭ったらしい…。」

「え?そんな…」

「あの親戚の方、車で迎えに来たそうだから、一緒に帰りなさい」

私はもう何年もTさんと会ってすらいませんでしたが、記憶には充分残っていましたので、本人には間違いありません。
気が動転しつつ、Tさんの車に乗り込みました。

車が出発した後、夜道を走りながら、私のほうからTさんへ色々聞きました。

「お父さん今どこにいるんですか?」

「病院」

「どこの病院なんですか?」

「ここから少し行ったところ」

「どんな状態なんですか?」

「よくわからない」

なんだか素っ気ない返事ばかりです。
車はちゃんと運転してましたが、感情失せて心ここにあらずという表情でした。

しばらく走っていると、段々不審に思えてきました。
どんどん郊外のほうに走っているのです。
主立った病院は全部市内にあるし、私の住んでいる市は山間に全部集中しているような所で、
山に一旦入ると、隣の市街地までは相当距離があります。
こちらから話し掛けても、素っ気なく短い答えが来るだけだし、
昔の話を切り出そうとしても、「そう…」とつまらなそうに反応するだけ。
この隣で運転しているおばさんは本当にTさんなの?とすら思えてきました。

その内、市道が寂しくなるあたりまで差し掛かりました。
これを過ぎると、もう店らしい店すら無くなり、民家が山間にポツポツとある程度です。
まだ開いて照明の灯っていたホームセンターの前辺りで、
「部活の用事思い出したので、先生に電話してきます」
私は強引に車から降りて、ホームセンターの中まで入りました。
窓からばれないようにこっそり外を見ると、Tさんが駐車場へ車を止めて、ゆっくり店へ歩いてくるのが見えました。
何か嫌な予感がし、私は大急ぎで反対側出口から出て猛ダッシュ。
運良く道路に通りがかったタクシーを捕まえて、自宅を告げて家に帰りました。

家に着いてから母親にタクシー代を払って貰い、玄関から入ると、
父親が普通に茶の間で座り、ビール飲んでTVを見てました。
「なんだ息を切らして?」
私のほうを見て呑気そうに言ってきました。

事情を説明すると、父親の顔がだんだん厳しい表情になってきました。
Tさんとは、旦那さんが亡くなった後は神経系の病院に通っているらしく、少々言動もおかしくなってきたたため、もう何年も交流がないそうです。
子供もおらず一人だけ残されたTさんは、精神的に疲れたのだろうと父親は言っていました。

まず、Tさんの自宅アパートまで電話。誰も出ません。(当時、携帯電話はあまりポピュラーではありませんでした)
Tさんの実家に電話し、Tさんの母親(私から見たら、祖母の妹さん)に出来事を話しました。
すると…2日前からパート先を無断欠勤していて、連絡が来ていたとのこと。
そろそろ向こうからも連絡しようと思っていた所だったそうです。
(Tさんがあんな状態で交流なくなったを知っているため、遠慮して連絡が遅くなったらしい)

翌日、警察に捜索を届けて調べて貰いましたが、Tさんの部屋からは財布以外、これといった貴重品も持ち出しておらず、
車と本人の行方が全く判らない状態ということが判りました。
ただ、部屋には女性の割にはお酒の空瓶が多く、神経系の処方薬が何種類かあったそうです。

20年経過しましたが、おばさんのTさんは未だに行方が判っていません。
恐らく、私がホームセンターの窓越しに目撃したのが最後だと思います。
長い間行方不明のため、法律上も失踪扱いになりました。

もしあの日、私が車に乗せられるがまま付いていってたら、どうなっていたか…。
そして、私はどこに連れて行かれようとしていたのか…。
謎が多い出来事でした。

3.友人の彼女にイタ電した結果・・・

大学生の時だな、
友達Aに遠距離の彼女が出来たらしくて、
まぁ毎日のろけ話のウザいことウザいこと。
そんである日、Aの家で遊んでた時のこと。
午前2時頃だな、Aが眠気に負けて寝落ちしたんだ。
すると俺と同じくAののろけ話に辟易してた別の友達Bが、

「Aの携帯からAの彼女にイタ電しようぜwww」

って言い出した。
今考えるとかなりDQNな行動だし、反省もしてるんだが、お酒が入ってたのもあって、とにかくその時は俺もノリノリだったんだ。
Aの携帯をこっそり開いて、とりあえずはメールでも見てやろうと受信ボックスを開く。

もうね、Aの彼女の名前がずらーっとね。
ちょくちょく摘まんで読んでみたところ、甘々なメールばかり。
送信ボックスも見た。
これまた甘々なメールの数々に俺とB爆笑。
同時に嫉妬の炎が俺達の心の中に燃え上がり、これはもう本当にイタ電するっきゃないとなった。

何故か着信履歴にはAの彼女の名前が無かったので、アドレス帳から探し、発信。
出るかなー、なんてワクワクしてたところ、部屋に謎の着信音が鳴り響いた。

「…お前の携帯?」

Bは言う。

「いや、俺のじゃないよ、Bじゃない?」

その時Aの部屋にいたのは、俺とAとBの三人だ。
俺の携帯じゃない。
Bの携帯でもない。
Aの携帯は今俺が持ってる。
この部屋にもう一台携帯がある筈は無いんだ。
Aの彼女にかけた途端に鳴り出した、謎の携帯。
これが指し示す事実は、まぁ、一つしか無いよな。
音の出所を探す。
Aがいつも持ってる鞄の中から音がしていた。
開けてみると、水色の携帯が一台

恐る恐る開く。
画面には着信の表示。
Aの名前が出ていた。

「…こいつ何してんだよ」

Bがマジで引いてる。
俺もぞっとして、酔いが醒めたわ。
幸い、Aは起きなかった。
Aの携帯二台からそれぞれ発信、着信履歴を消し、何事も無かったかのように
翌朝も振る舞った。
全然眠れなかったけどな。
それ以来、なんとなくAとは疎遠になっていったけど、あれからも何度かのろけ話を聞いた。
大したこと無い話なんだけど、俺的には本当に怖かったです。

4.黄色いパーカー

ある日、商店街の裏にある友人のアパートに行きました。

アパートは、一階に共同トイレがあり友人の部屋は一階の一番奥でした。
その後、友人の部屋で朝まで飲んでいたらトイレに行きたくなり、気味の悪いトイレに行きました。
トイレで用をたしてるとキョロキョロしながら黄色いパーカーを着た青年が大きな声で

「オハヨウゴザイマス!!」

と言ってきたので

「おはようございます。」

と言って何も気にせず部屋に帰りました。
その数分後、一人の友人がトイレに行き帰って来ると「青年が挨拶してきた。」と言って挨拶を返したと言ってきました。

その後、眠っていると一人の友人が「おい!これ見ろ!いいから見ろ!」と言ってきてテレビを見るとニュース番組で「白昼堂々!通り魔」というタイトルでやっていました。
目撃したおばあさんの証言は黄色いパーカーを着た青年だったそうです。

そして逮捕された青年の動機は

「挨拶をしたのに返さなかったから刺した。」

5.階下の住人

だいぶ前に別板で書いた妹の体験談。

とあるアパートの2階で一人暮らしを始めてしばらくした頃、1人の男が部屋にやってきた。
話を聞くとその男は下の住人で、ウチの騒音に迷惑して抗議に来たとか。
出るところにでも出る覚悟だが、話し合いをしたいので部屋に上げてくれと。
「え?」と瞬間的に抵抗を感じたが、どうも迷惑を掛けているみたいだし、
なにより部屋に彼氏が来ていたのでまぁ安心かなと、部屋にあげるつもりでドアを開けた。
すると、部屋の中に人の気配を感じた男は、やっぱり日を改めると帰っていった。

その日の晩、妹はとりあえず不動産屋にこんなトラブルがあったのだけどと電話で相談をした。
すると不動産屋の返事はこうだった。

「今お調べしたのですが○○さんの下の部屋は現在空室ですよ。」

それから程なく妹は引越をした。それまでの期間はずっと彼氏に家で寝泊まりしてもらっていたとか。

ネタじゃなくマジ話です

6.侵入者

この前、同棲している彼氏が飲み会で遅くなるかもと言うので寝ないで待っていました。
しかし深夜2時を過ぎても帰らないし、携帯はどうやら充電切れの様子。
終電までには帰るって言ったくせに…!むかついたので先に寝ることにしました。

布団で目を瞑り「あー、もう少しで寝れそう」って時に玄関の鍵が開く音がしました。
「今頃帰って来やがって!」私はそのまま寝たふりを決め込むことにしました。
電気をつけないまま、ゴソゴソと衣擦れの音がしました。
荒い呼吸からアルコールとタバコの匂いが伝わり、私はますますイライラしました。

彼は酔って帰るといつも求めてくるのですが、今日は絶対断ろうと思っていました。
ギシ、という音とベッドの足元の辺りが沈み、彼が入ってこようとしてるのがわかりました。
そして彼が私の上によつんばいの形になった時、気付きました。

(この人、誰?)

私の彼氏はアンガールズ並にガリガリです。
その時私に触れていた肌はひんやりとやわらかい贅肉の感触がありました。
恐る恐る目を開けると、見たこともない40前後の太った男が口にはさみ(テーブルの上に置いてたもの)をくわえて私を睨んでいました。

全裸で。

(あ゙ーーーーー!!)

悲鳴を上げようとしたのですが声になりません。
私は必死にもがいてどうにかベッドから転がり落ち、12月の寒い中、部屋着のまま裸足で外に飛びだしました。
アパートの玄関辺りで帰ってきた彼氏(今度は本物)とはちあいました。
パニックで上手く声がでませんでしたがなんとか状況を説明しました。

二人で部屋に戻ると、そこにはもう誰もいませんでした。
フローリングの床が水(?)浸しで、台所の食器に赤っぽいものがついていました。

その後はしばらくホテル暮しして、少し離れたアパートに引っ越しました。
それにしても、男がどこから鍵を手に入れたのか今だにわかりません。
(スムーズに開いていたのでピッキングとかではないと思います)
置き鍵とかも一切してないし、彼と私の分しか合い鍵はありません。
新築だったので、私たちの前には誰も住んでいないはずですし…

それからはアパートの大家さんに断って4ヵ月に一回ぐらいで鍵を付け替えています。
まあ、それから彼の早く帰るようになったのでよかったっちゃよかったです。

7.友達の家の向かいのじーさんがいつも見てきたと思ったら、じーさん一家を殺した犯人の家だった

小学校に上がりたてだった俺はさっそく出来た友達と毎日のように遊んでた
その友達の家は学校から見て山の間反対側にあって、小学生の足じゃ1時間ぐらいかかるようなところにあった。
で、その友達の家の周りには田んぼしかなかったんだけど、友達の家の向かい側に一件だけ家があった。
いかにも昭和初期に出来たようなボロクサイ家で住んでいるのも、腰が曲がった小汚いじーさん一人だった。

でもそのじーさんが結構変な人で、話したことはないんだが俺が友達の家の側に自転車止めるとそのちょっとした音に反応して家の扉開けてじっとこっちを見てんだよ。
俺が友達の家にはいるまでずっと。
これが毎回続いてたし、友達やその両親が家を出るときも同じようにじっとこっちをガン見してくるらしい

ある日、俺がいつものように友達の家に遊びに行くと
なぜかそのじーさんは出てこなかった。
俺は不思議に思いながら大声で「●○くーん!あそびにきたよー!」と友達を呼ぶ。
その当時友達の両親は共働きで家にいなかった。
そして友達が玄関の扉を開けた瞬間、
向かい側の家(俺からしてみれば背後)からすごい勢いでじーさんが出てきて

「おまえかぁぁぁぁぁぁおまえなのかぁぁぁぁぁぁ」

と訳の分からんことを叫び散らしながら俺たちの方に走ってくる。
よく見えなかったが両手に紙切れ(?)のようなものを持っていた気がする。

俺たちは急いで家に逃げ込んだ。
居間でガタガタ震えてると玄関をぶち破りそうな勢いでじーさんが扉をバンバン叩いてる。 ずっと、

「おまえならゆるさないぃぃぃぃぅぁぁぁぁぁ」

と叫び散らしていた。
当時の俺たちは携帯なんか持ってないし、それどころか電話の使い方も知らなかったので大人や警察に電話することも出来なかった。
心臓が爆発しそうだった。
ワァワァ泣き叫びながら大人が帰ってくるのを待つことしか出来なかった

しばらくしてじーさんは帰ったようで、静かになったが俺たちはずっと震えたままだった
1時間ぐらいたって友達の母親が帰ってきた。
そして「●○~?こんなのが玄関に貼ってたんだけど~?イタズラ?気味悪いからやめてー」
といい、2枚の紙切れを俺たちに見せてきた
一枚は古い家族写真のようで、あのじーさんとその家が写っていた。
じーさんの隣にはじーさんの奥さんと思われる中年の女性。
その手前には息子(娘かもしれんが)夫婦と思われる若い男女と孫と思われる小さい女の子が写っていた。

そして二枚目の紙切れを見て俺は震え上がった。
それは新聞紙を切り取ったもので一面記事のようでずいぶん大きかったが、
そこにはあの家と写真に写っているじーさんを除く家族の顔写真が写っていた。
記事の内容は、じーさん以外の一家全員が向かいの家に住む30代の男に包丁で滅多刺しにされて殺されたというものだった。
(当時漢字が読めなかったので母親に読んでもらったが)
犯人はすぐに捕まり死刑となったが犯人が住んでいた家はまだ残されていたみたいで、どうやら今友達が暮らしているこの家が当時犯人が暮らしていた家らしい

たまたまその母親がそういう系の話信じてくれる人で、次の日ウチの両親も含めて寺に行って相談したんだよ
そしたら住職さんが、

「その犯人が死刑になっても、殺された家族はその犯人のことを許してない。 おそらくそのおじいさんも憑かれてる。だから向かいの家の住人のことを毎日監視していたんでしょう
そしてなにが起点になったのかわかりませんが、なにかそのおじいさんに溜まっていた家族の怨念を爆発させるようなことが起こり、襲われたのでしょう」

と言った。
友達の家族からしたらいい迷惑だろうがとにかくあの家に住み続けるのは危険らしい
あと、あの写真と新聞もすぐに処理しないとマズいらしい。

そんなわけで、友達家族もすぐに引っ越しできるほど裕福じゃないので 実家に帰ってしまい、友達とはそれっきりになってしまった。
それ以来あの家には近づいてないが、 まだあそこにあのまま残っているのかはわからない。

8.中国へ行った時に見た光景が恐ろしい

観光施設の周りに物乞いが等間隔で座っていた
観光客が出入りすると横に置いた器を手にこちらをじっと見つめてくる
片手だけや片足だけの人が多く、「子供が産まれると親が不自由な体にする。その方が実入りがいいから」という昔話が今でもあるのかとびくっとした

しかしもっと怖かったのは旅行仲間の一人Aが「やめな」と言うのを無視して物乞いの一人にお金をあげてしまった時だった

他の物乞いたちが次々這ってこっちへ来る。
気味が悪くなり慌ててAを引っ張り、急いでバスに飛び乗った他の仲間は飛んで来たガイドが連れて来たバスが発車し、ガイドが状況説明をする中、ふと窓の外を見ると、さっきお金をもらった物乞いが他の物乞いたちから折檻されていた
よろよろと互いにもみ合いながら団子状態になっているのを、後ろに座ったAに見せると真っ青になっていた
他の人たちも「うわ・・」と声を上げていた
西湖ほとりの話です

9.偽の警察官

ある女性が深夜、仕事からの帰り道、黒い服を着た男が走っていく姿を目撃する。
その翌日、女性がテレビ番組を見ていると、自宅の近くで殺人事件があったことを知る。
同じ日、制服の警察官がやって来て「この近所で殺人事件があったのをご存知だと思うのですが、その件に関して何か心当たりはございませんでしょうか。」と、聞いてくる。
女性がドア越しに

「何も知らないです。」

と返答すると、警官は、

「事件のせいでこの周辺の警備が強化されておりまして、私はパトロールでこの付近を巡回しています。また後日同じ時間にお尋ねしますのでその時に、もし何か思い出した事がございましたらどんなささいな事でも構いませんので教えてください」

という旨の言葉を残して去っていく。

翌日も、翌々日も、その翌日も、決まった時間に警官は来る。女性は仕事熱心で立派な警察官だなと思いつつ、やはりドア越しに「知らない。」と答え続けていた。
そんなある日、いつもの様に警官が帰った後、女性は事件当日に黒い服の不審な男を見た事を思い出す。
明日警官が来たら、その事を話そうと女性は思う。

次の日の朝、女性がテレビ番組を見ていると、例の事件の犯人が捕まったとのニュースが流れる。だが、女性は犯人の写真を見て驚愕する。

捕まった男は、自分の家に聞き込みに来ていた警察官だった、若しくは、警察官に扮装して、女性が事件に関係する事を思い出さないか監視し、もし思い出せば口封じに殺害してしまおうと狙っていた犯人だった。

10.聞こえていた会話

おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。
急変とかで、まあよくあることだ。
処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。
救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた死体(にみえた)だった。

救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで引火した車のなかで取り残されたらしい。50代位の男性だった。
一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで肉の焼けるにおいがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。全然動く気配もない。もう時間の問題だ。

「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」

と救急隊員は言った。医師も

「あー、こりゃすごいね」

と言って治療をする気もなさそうだ。

「ひどい・・・・」

看護婦も目が怯えていた。
俺は一応検査をするための準備にかかった。
機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が運ばれてきた。
おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。

「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」

と俺は言った。
皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。

「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」

「あ、あ」俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。
今までの俺達の会話を聞いていたんだ。
その部屋の中にいた、医師、看護婦、俺、救急隊員、全員が凍りついた。
まあ、2時間もしないうちに患者は亡くなったんだが、なんども「私はしぬんですか?」って聞かれて、おれたちは不謹慎だが逃げ出したい衝動になんどもかられたよ。


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